年末から体調を崩し、なかなか戻らないままなんとか生活してきた。
何より困ったのは、仕事をしよう絵を描こうという気持ちが1mmも沸いてこないことだ。
例によってチャンドラー方式で、画室にこもってみるのだが、絵から声がかからない。
そして、そのことに絶望し、体を動かすのもしんどいので寝てしまう。
さらに逼迫経済が精神に追い打ちをかける。おまけに寒い。
出かけても、10分歩くとどこかに座って5分休む、という効率の悪いお出かけになってしまう。
一日の2/3くらいは、ふとんで寝ていた。
あまり、痛い辛いを語る趣味はないけど、これはかなりこたえた。
でも現金なもので、うぐいすがホー ホテチョとヘタクソに鳴き始め、ひっちょね君も鳴きだし、
オオイヌノフグリやニホンスミレが咲くようになると、気持ちも体も少し楽になってきた。
その間も仕事はなんとかしてきた。
美術作家による震災遺児支援 【3.11きずな展】http://homepage3.nifty.com/kaho-art-products/kizuna.html に「いずみ」P4を出品した。
この作品に添えるなら、こんな言葉だと思う。
「いつの日も、いずみは湧いている。枯れることなく湧きつづける」
巡回の予定
◆東京展 3月22日(木)〜27日(火)日本橋島屋 8階ギャラリー
◆東北展(岩手県盛岡市) 4月26日(木)〜5月1日(火)川徳 7階ダイヤモンドホール
◆京都展 5月17日(木)〜21日(月)京都島屋 7階グランドホール

この展覧会はチャリティーオークション形式で、「いずみ」はすでに東京展で、複数の入札をいただいたようだけど、どなたの手元に行き、どのくらい寄付できるのか、すべては巡回が終ってからとなる。
次号から新連載となる【表現者】コラム「なごりの色」を入稿した。
現代ではあまり使われなくなった日本の伝統食の名前を柱に、あれこれエッセイを書いてみようと思う。
初回は「禁断の砂糖菓子」と題して、小学生の頃のエピソードを書いた。
何が砂糖菓子なのかは、4月16日の発売をお楽しみに、ということにしておこう。
さらに来春、京都に加えて鎌倉でも開催することになった「観〇光」の鎌倉展実行委員長にされてしまったので、そちらの準備もしてゆかなくてはならない。
そして「瓜南直子展− 月の消息 −」。
4月26日〜5月6日 鎌倉ドローイングギャラリー http://kamakuradrawing.com/
【表現者】表紙原画、ドローイング、パステルなど20数点を展示する。

8月は日本橋三越の企画展「ざ・てわざ」。
こちらは、すでに下地も作り、下絵のトレースも済んで、
あとは描くだけという状態のパネルが、「待ってるよ」という顔で壁にかかっている。
若い頃から、人一倍お酒を呑んできた私は、末はアル中かと思っていたけど、そちらには行かず、不調を訴えたのに聞いてもらえない胃などの内蔵がストをおこして故障してしまった、という結果となった。けれど、これはある意味たいへんありがたい。
リセットして体を休め、生活を見直して出直しなさい、という信号だったのだと思っている。
そう思うと、なんてラッキーな奴なんだ、と思うし、
まだまだ絵を描きなさい、と絵の神様が私に時間を下さったのだと、かみしめている。
桜も咲いた。
もくれんも咲いた。
玄関のれんぎょうも咲いた。
個展の新作の一群が、いい感じの方向性を与えてくれている。
ここをフックに、新しい展開を進めてゆきたい。
作品が仕上がるのを、いちばん楽しみにしているのは実は私なんである。