2011年08月06日

紅しょうが漬けました



紅しょうが.jpg



今年も漬けました紅しょうが。
青いガラスの甕に3年分の紅しょうがが漬かっています。

自家製の紅しょうがは、辛みがキワキワしておいしい。
塩と梅酢しか使っていないので、しょうがの辛みが際立ちます。


以前、スライスして漬けるという方法を教えてもらったんだけど、
時間がたつと味がスカスカに抜けてしまうし、漬け水が傷んでしまう。

どんなものでもそうだけど、漬物は丸ごと漬けたほうがおいしいに決まってる。
水菜や大根葉だって、刻み漬けはあくまで当座の漬物。
保存を考えるなら丸ごと漬けるのがいい、というわけで、
あれこれ調べて、私なりに納得した漬け方です。



新しょうがは、ブロックごとにモキッと折って、歯ブラシでよく洗います。
何と言っても土の中にいたのだから、念入りに。
水分を拭いて、さらに粗塩で揉みながら汚れをおとします。
洗ってしょうがの10%くらいの塩を水に溶かし、しょうがと一緒にビニール袋に入れて、
漬物器か、ボールに入れて重石をして一晩おきます。

翌日、水気をふいてざるにあけて一回目干し。
天日なら半日、陰干しなら一日くらい、途中で天地を返して干します。
(筆しょうが、とか細めのものは半日くらい)

1A紅しょうが.jpg



とりこんだら、ひたひたの梅酢に漬けてまた軽く重石をします。
一週間ほど置いて、また水分を拭いて干します。


紅しょうが.jpg


この時の梅酢は、ざんねんですが捨てて下さい。
しょうがのアクとかクセを吸って、苦いようなエグいような味になってしまってます。

もったいないなーと思いながら、この梅酢を流しに捨てるのは、
漬物の下漬けとは、素材のアクとか雑味を取るためにするのだとわかるひとときです。

二回目干しが終わったら、いよいよ本漬け。
梅酢をヒタヒタに注ぎ、上に梅干しの赤紫蘇をたっぷり、蓋をする感じで乗せます。
もし梅干しを漬けていれば、そこに一緒に埋めてしまってもいいです。

これで出来上がり。細いものなら一週間ほどで食べられます。
今年はわりと大ぶりなしょうがを漬けたので、一か月くらいでしょうか。
でも、うちには3年もの、2年もの、今年のものが一緒に漬かっているので、
今年のものは、甕のいちばん底に入れました。

出す時はトングで。濡れた箸を入れると傷むもとになります。


紅しょうがトリオ.jpg
                                     左から3年もの、2年もの、今年もの

自分で漬けると、紅しょうがといっても、紅というより、マゼンダっぽい色になります。
素直な味なので、お寿司に入れたり添えたりしても馴染みます。
うなぎや焼き魚の箸休めにも。
紅しょうがパスタや紅しょうがだけヤキソバ、べた焼き。、
あと、牛肉との相性もいいので、すきやき風煮や焼き肉に添えるのもいい。



しかし、冷やし中華やヤキソバに乗ってるのは、まっかっかな紅しょうがでなくちゃ、と
子供の頃から刷り込まれてしまってるので、自家製だと、なんだか景色として違うだろーってことで、
ベタな冷やし中華を作りたい時は、食紅入りの紅しょうが買ってきたりします。
とんこつラーメンも、自家製のものは色が消えてしまうし。
自分でもヘンテコだと思うけど。


あと、京都ではどこでも売っていた紅しょうが天、
関東では見かけないし、今度作ってみよう。



で、さっき「紅しょうがの漬け方」を検索してみたら、似たような漬け方が出てきました。
なぁーんだ、でした。
便利な世の中になったものです。






posted by 瓜南直子 at 18:18| Comment(1) | 漬物道楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月05日

【寝目めも手帖】頁 其の七「天国と地獄」



杉並の井荻で、ラーメン屋のはしごに連れていかれる夢を見た。

夢の中の井荻の町は、古い劇画の私鉄沿線の駅前のようなたたずまい。

私は、背中にギターを背負った案内人にうながされて、ラーメンツアーに行くらしい。




一軒目【支那ちゃいな】


かんすいがきつくて、その匂いにムッときた。
ゴリゴリの皮つき豚の角煮と、スジスジの支那竹がのっていた。

壁のあちこちに、「自慢の手打ち!」と太いマジックで書かれた黄色い短冊が貼られている。
しかも一字ごとに赤でぐるぐる強調してあった。
文字は、極端に右上りだ。
その自慢の麺は極太で、タコ糸のようにボソボソする。
一軒めから、いちばん苦手なタイプのラーメンを食べるはめになってしまった。

私は、ギターを背負った案内人に、どちらかというと細い麺が好みであると伝えた。
案内人はうなづいて、では次はすっきり系をと言って【支那ちゃいな】を出た。




二軒目【わんこ屋】


店の名前を見ただけで、すべてが理解できた。

細長いテーブルに座ると、スープの入った大きなどんぶりが出てきて、
横に立ったおねーさんが、即座に麺を入れる。
たしかに細麺のあっさり醤油味で好みのタイプのラーメンだ。

しかし、最後のひとすすりを終えると、即座におねーさんが替え玉を投入する。
そのたびに、おねーさんはテーブルの上の数字の木札を架け替えるのだ。

いったい私は何玉食べたのだろう。
キメキメのポーズで入口に立っている、ギターを背負った案内人にすがるように視線を送った。




三軒目【天国と地獄】


ゴミゴミした路地を抜けると、
井荻の街が、いきなりブレードランナー化した。
いや、黒沢明の「天国と地獄」の方が近いかも知れない。
戦後の闇市のマーケットのようだ。

と思っていたら、着いた店の看板には【天国と地獄】と書いてあった。


バラックのような、雨漏りのする店。
天井を見上げると、板のすき間から、どんより曇った空が見える。

厨房をはさんでカウンター式に、天国席と地獄席がある。椅子はベンチだ。

お客さん、どちらに座りますか。


天国席は、ほぼ満席。地獄席はガラガラである。
カウンターは細く長く、奥の方は暗くてよくみえない。
真ん中の厨房では、麺を茹でる大きな鍋から湯気が上がっている。

少し待って天国席に座ろうかと思ったけど、
まあ空いてるから、と地獄席に座った。

見れば地獄席でラーメンを食べているのはアリクイやカモノハシのような人たちだった。
かわうそみたいな人もいる。

ラーメンを食べるのに向いた造形でない方ばかりなので、ひどく食べにくそうだけど、
モチャモチャ言いながらおいしそうに食べている。
カモノハシさんは、麺が喉を通りにくいのか、
時々宙を見上げて、目を白黒させながら、ウッウッグゥーとうなっては喉から胸元をなでる。


正面の壁のメニューを見ようとした時、
入口から入って来た風で、鍋の湯気が流れ、
天国席の人たちの顔が見えた。


そこには、笑顔がズラリと並んでいた。
お箸で麺を上下しながら、正面の宙に向かってニコニコ笑っている。
食べるでも話すでもなく、ただただ幸せに満ちあふれた笑顔だけを送っているのだ。


ぞぞぞぞぞぞーーーっ。


こわっ。これはこわいっ。ぱ、ぱらいーそだ、天国病だ。
ぱらいーそには行きたくない。
あっちに座ったら最後、ああなってしまうのだ。あぶなかったー。

そして、このズラリの笑顔を見ながら食べなくちゃいけないのが地獄、というわけだったんだ。

やっとわかった。


身体が凍りついたとこで目がさめた。
ひどく胃が痛かった。




posted by 瓜南直子 at 16:56| Comment(0) | 寝目めも手帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月02日

【寝目めも手帖】頁 其の六「下品な鮨屋」



とても下品な鮨屋の夢を見た。


A4大の中トロのシートが3枚と、握ったすし飯が出てきて、
お好きにお召し上がり下さいと言う。

隣の人はくるくる巻いて齧っている。
手が脂でベトベトになりそうだし、そんな食べ方やだなぁ。


と、私が困っていると、
板前がやってきて、包装紙のように包んで食べろと指南する。
横には大トロの角切りまである。
これを寿司飯に埋め込む人もいます、とうれしそうに言う。

それにしても、こんな薄くて大きいシート、
いったいどうやって作るんだろうと首をかしげていたら、
どら焼きみたいな顔した板前が、
これですお客さん、と言って
カウンターの上に、ドカッと丸ノコを置いた。

板前の胸には、大きなハンカチが安全ピンで留めてあり、
そこには、ヘタクソな字で「花板」と書いてあった。


このアイディアは、私のオリジナルです、
ものすごく大きなマグロでないと取れません、と胸をそらした。


他のネタも、とろとろサーモンだの、しまあじ腹身だの、
ソフトクラブから揚げ巻きだの、炙りカンパチかま握りだの、
脂ののりすぎたものやコッテコテのばかりで、見てるだけで胸焼けがした。

隣の客は、お椀になります、と言って出された
アボガドのすまし汁をうまそうに飲んでいる。

何かさっぱりしたものを下さい、というと、

ではこれをどうぞ、と今度はフルーツの盛り合わせが出てきた。

フルーツは、高そうな果物と南洋っぽい果物がおてんこもりで、
ハイビスカスや椰子の葉で、トロピカルな演出がされてあった。
さらに、まんなかにはストローを挿した椰子の実まであった。




永いこと鮨屋には行ってないけど、こんな店はいやだ。



posted by 瓜南直子 at 17:42| Comment(0) | 寝目めも手帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【寝目めも手帖】頁 其の五「ねじの夢」



ねじの山の上に寝ていた。


なぜ、こんなところに寝ているんだろう。
ちょっと体をずらすと、ねじがゴリゴリして痛い。

そうだ、思い出した。

自転車のスタンドのところに合うねじを探してたんだ。


と、姿勢を変えて探してみるけど、
ねじ山の大きさも脚の長さもピッチも、みんな少しずつ違ってる。

少し動くだけで、ねじが体に喰い込んで痛い。


みつからないし痛いしっていう、それだけの夢。


こういう夢は誰かにあげてしまいたい。





posted by 瓜南直子 at 17:17| Comment(0) | 寝目めも手帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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