2011年11月01日

「観○光」こぼれ話 その3


鬼瓦s.jpg


泉涌寺の仏殿を見上げながら通っていたら、何かがキラッと光った。
立ち止まると光は消えた。
なんだろう、とよくよく見てみると、屋根の鬼瓦の目玉が光るのである。
穴が開いているのか、鏡面のようになっているのかわからないけど、
さすがの意匠。私はドラクエVのオーブを取りに行くダンジョンを思い返していた。



泉涌寺の廊下.jpg

                                 展示している部屋の続きの間。


泉涌寺の庭.jpg

                       中庭の奥、板敷きの廊下の奥が、作品を展示した小方丈。





二条城は当番がなかったので、なんとなくお客さんモードで出かけた。
搬入、設営、展示の時に神経をすり減らした展示作家には申し訳ないけど、
すっかり観光気分になってしまった。


二条城2.jpg




ちようど「お城まつり」の期間中なので、二の丸台所の前には業者がテントを並べて、
あれこれ京都の物産を売っている。
それをひやかしながら、うどんを食べながら見渡してみると、
私好みの扉や蝶番が目に入った。
これがまた、絵のモチーフや色見本となるのである。



二条城1.jpg





「観○光」は作家主導で何から何まで作家が動いて形にした展覧会のように語られる節があるが、
実はそれだけではない。会場を取り仕切って下さった学芸員の方々、ボランティアの方々、お寺の方。

そして搬入搬出業務を実質ボランティアで請け負って下さったのは、
東京 香染美術の仲村信二さんと、京都 COMBINEの上山潤さん。

それぞれ関東在住の作家、関西在住の作家の作品をピックアップして業者のトラックに詰め込み、
会場へ搬入から展示に至るまで面倒を見て下さった。
搬出時も同じである。

作品が仕上がって虚脱状態の作家は使い物にならない。
お二方とも、そのあたりのことをよく心得ていらっしゃるのだろう、
作家のわがままに嫌な顔ひとつせず、たのもしく引き受けて下さった。
心から御礼申し上げます。



上山さん.jpg




上山さんは、若き画家の釜 匠さんと松本 央さんを脇侍のように引き連れて、
展示の細かなことをあれこれ手伝って下さった。

このカマくんとマッちゃんのコンビが、なんともおもしろく可愛く、
親方のように歩く上山さんの後を、テトテトついて歩きながら、
ヒマさえあれば、プロレスの技をかけあったりしてじゃれている。
ほとんど仔犬か子熊の兄弟である。



初日の夜、高松からやってきた上山さんのスタッフ 青野千鶴さんやお客さん、
エトリケンジさんたちも交えて、COMBINEの近くの「あいばカレー食堂」で宴会をした。

あいばちゃん(饗庭由美子さん)は、彼女が蔵丘洞画廊に勤めていたころからの知り合い。
今はご主人の武さんと一緒にこの店を経営している。
「あいばカレー」はレトルトパックで全国的に販売しているという。

あいばカレー食堂
http://aibacurry.net/



上山さんとは会期中2回ほど呑んだ。
泉涌寺の当番が終ってから、錦小路の「有次」に愛用の三徳包丁を修繕に出し、
その足でCOMBINEに寄って、呑みに出たのである。


有次.jpg



上山さんは、小学校のころクラスに一人はいたなーという感じの、
熱いやんちゃな空気をいまだにまとっている。
若い作家にかける情熱も、かける言葉もそれはそれは熱い。
見ていると画商と若手画家というより、
体育会のOBかコーチと学生みたいなノリなんである。








魏山くん.jpg







そして最終日、木彫作家の加藤魏山さんが埼玉からやってきた。
可憐な奥様と奥様のお父様と一緒に。

魏山さんは、歴史上の人物の描写を、ご自身の解釈によっ​て
心のひだや陰をとらえて立体表現しようとされている。
そこにはたぶん魏山さんの心の「鏡」でもあるのだろう。

己の苦しさも弱さも、なんでも映してしまう鏡との応酬を​繰り返しながら、成長してゆく作家。
現代の、勢いでアートを軽々とこなして成功してやろう、
というアーティストとは全く逆のタイプだということを、ご自身​がよくわかっている。
そこが、魏山さんの強みだと私は思う。
​魏山さんが、これからどんな作家になってゆくのか、
人物の陰影にどんな色合いの深みを増してゆくのかが本当に楽​しみだ。



作品の前で、魏山さんと作品についてや、これからのお互いの活動について語っていると、
お父様が熱心に、それはもう熱心に聞いておられる。
時には目を大きく開いて驚き、深く深くうなずき、
一言も聞き漏らすまい、という熱心さ。

よかった…..。
魏山さん、お父様は魏山さんを理解し応援していらっしゃる。
魏山さんの制作にかける、ひたむきな姿勢をちゃんとわかって下さっている。



「観○光」の仕上げに、なんだか気持ちが温かくなりました。



COMBINE
http://www.combine-art.com/

加藤魏山さんのブログ<月鏡>
http://gizankatoh.exblog.jp/16571360/













posted by 瓜南直子 at 17:44| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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