2011年12月25日

まぐろ血合いあそび




まぐろジャーキー完成.jpg






ビーフジャーキーの作り方は、発刊まもない頃の雑誌「POPEYE」で覚えた。

編集部をハワイに置き、アメリカ西海岸の若者のライフスタイルを紹介する月刊誌、
としてスタートした「POPEYE」が、隔週刊に定着してからの1ページに
「ポパイ クッキング」という連載があった。

そこで紹介されていたのは、
モザイクサンド、ビーフジャーキー、ごはんサラダ、
BLTサンド、たらスパ(まだパスタなんて呼ばれていなかった)etc.

料理は好きだったけど、まだ味噌汁や煮物にはまったく食指の動かない大学生の私には、
どれもたまらないほど魅力的なものだった。

実は今も時々作る、ビーフジャーキーもごはんサラダも、このPOPEYEのレシピがベースとなっている。



ビーフジャーキーは、オーストラリア産のモモ肉の塊を薄切りにして作る。

今でこそ、ナマイキにディロンギのコンベクションオープンで乾燥させて作るけど、
当時はオーブントースターで作っていた。

オーブントースターで、焼けないように乾かすのは、なかなか至難の技だ。
出来上がるまで、ずっと見張っているという、なかなか根気のいるものなのだ。
しかし、ビーフジャーキーが作れるんだ、ということに
ただただ感動しコーフンしていた私は、半日オーブントースターの前に陣取り、
ひっくり返したり、場所を入れ替えたりということを熱心にやっていた。

そんな苦労をしても、宴会などに持ち寄れば、

「へぇー、ビーフジャーキーって作れるんだー。うまいうまい♪」

と、パクパク食べられて一瞬でなくなってしまう。

見栄っ張りで「そんなバクバク食べないでよ。苦労して作ったんだから!」
と言えない私は、顔はオホホに固めたまま、
コイツらには、めったなことでは作ってやらない、と固く心に誓ったのだった。



とは言っても、最近は先斗町「上燗や」の新年会や、
北鎌倉「佗助」の忘年会など、一品持ちよりパーティーの時によく作る。
荷物にならないし、軽いのがなによりいい。



この春、近所にできた立ち呑み「ヒグラシ文庫」で、名物「まぐろ血合いスモーク」に出会った時、
これでジャーキーが作れるんじゃないか、と思った。

それまでも、まぐろの血合いを見ると買って当座煮にしていたけど、おいしそうに炊き上げられなかった。

私は塩水で血抜きをしていたので、肉がグレーになってしまい、
あまりにも地味な地味な煮物になってしまっていた。
食べるとおいしいんだけど、箸が伸びない。
食卓の景色として、これはいらない。


「ヒグラシ文庫」の中原蒼二さんが作る「まぐろ血合いスモーク」は、実においしそうな色をしている。
スモークだからなのかと思ったら、どうやら下処理にヒントがあるようだった。


中原さんに聞いた血合いの扱いのコツは2つ。

1.本まぐろの生の血合いを買うこと。解凍ものは風味がよくないので、おいしくできない。

2.醤油と酒に浸けて、まぐろの旨味は逃さず、下味をつけながら、血とイヤ味を抜く。



やってみました。

一日浸けると、血を引き出した浸け汁はドロドロになりました。


まずは、白ねぎと合わせて「ねぎま」にしてみました。

昆布だしに、かえしと醤油で薄く味をつけ、
一口大に切ったまぐろとぶつ切りの軟白ねぎ、お豆腐も入れました。
腹身と血合いのクセが抜けて、旨みとコクが際立つまぐろがおいしい。
まぐろの旨みがひそむ澄んだお出汁がうれしい。
そして仕上げには、そうめんを入れていただきました。


ねぎまS.jpg


血合いの扱いがわかったので、いよいよまぐろジャーキーに挑戦しようと手ぐすねを引いてたけど、
解凍でない、生の本まぐろになかなか出会えない。
たまたま、普段はそこで魚を買うことなどない近所のスーパーにあったので、
コーフンして3パック買ってしまった。
それでも450円である。


同じように酒と醤油に、かえしも加えてまぐろを漬けた。



まず、ジャーキーの上前をくすねて、漬けたまぐろを焼いてみました。

ぷっくりして弾力のある身、漬け焼きの香ばしさ。これは絶品。


まぐろ焼き.jpg





まぐろ血合い焼き.jpg


ジャーキーにする身は、1cmくらいの厚さに揃えて串に刺し、お風呂で風干しに。
寒風で一昼夜、表面が乾いて軽くなってから、
90℃に設定したコンベクション・オープンで乾かして行きます。

時々天地を返しながら。

水分が抜けてくると、脂が出てくるので、拭きながら。

余熱で乾く余地を残して、カリカリ手前で引き上げて、ざるに並べます。

オープンで焼いている時は、けっこう魚臭いので、換気扇回して下さい。


まぐろジャーキー.jpg



「ヒグラシ文庫」の「まぐろ血合いスモーク」についてくるソースを真似て、
みじんぎりの玉ねぎを混ぜ込んだマヨネーズベースのソースを作ってみました。
これが、血合いのワイルドな風味とよく合って正解でした。



◆今回の反省


○漬け汁がは多めに。

時々漬け汁の中で、身を動かしてやること。
そうでないと浸透圧が止まり、血が抜けにくくなる。


○干す時は一気に。できれば外干しで。

今回、厚さをどうするかで迷い、途中で干し直したりした。

外に干したいけど、ホームセンターで売ってるような、ヤワな干物ネットでは、
リス、トンビ、カラス、アライグマのみなさんのパワーに勝てるとは思えない。


京都にいた時に、焼き金網を組んで干し箱を作った。
あれだ。あれを作ろう。

よし、百均に金網買いに行こう♪

また おもちゃがふえたー。





最後に、泣きそうなほど地味な写真を。
にしんの煮物と、まぐろの血合いの当座煮です。
ね?お箸が伸びないでしょ?

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posted by 瓜南直子 at 16:35| Comment(1) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月24日

なべやきうろん鍋



なべやきうろんふS.jpg



受験生の夜食といえば「鍋焼きうどん」と決まっていた。

私はたいして机にかじりついて受験勉強をした記憶がないけど、
夜中に作って食べる鍋焼きうどんの味は格別だった。
鍋焼きうどんのための、一人土鍋や蓮華もうれしく、冬の楽しみの一つになっていた。
一人用土鍋はたくさんあったけど、ガスコンロは2つしかないので、
休日の昼間などに家族全員の鍋焼きうどんを作る場合は、順番に作って食べていた。


でも、どうも他の家庭ではあまり習慣がなかったようで、
浪人や学生のころ、遊びに来た友達にすすめてもピンとこない風だった。

呑んで酔っ払った私を送ってくれた予備校の友人男子四人が、
母に叱られながら(なぜ叱られてたのか、今もって不可解だけど)
関西系の鍋焼きうどんを釈然としない感じで食べていたのが、なつかしい。

酔っぱらってるから送ってきて、鍋焼きうどんをごちそうになるのはわかるけど、
なぜボクたち叱られなくちゃなんないのか。
それに、この味のついてないようなうどんはなんなんだ?

彼らの顔には小さな字で、このくらい詳しく書いてあった。



鍋焼きうどんの基本装備は、えび天、椎茸(干しいたけの旨煮なら なおよし)、
春菊、お揚げ、カマボコ(もちろん赤)、みつば、生玉子、柚子。

かしわや伊達巻、麩、百合根を入れたりもする。

出汁に薄味をつけて、うどんから煮てゆく。上に具を並べ、しばし煮たら玉子を落として蓋をする。

ゆず皮やすだちはいただく時に。



数年前のある日、近所の酒場で友人と呑んでいて、
これから うちで鍋焼きうどんを食べようという話になった。

でも、一人鍋の数が足りない。
なら、大きい鍋で作っちゃえばいいじゃん、ということになって、
冷凍うどん2玉で作った。

これがよかった。
薄味にしてあるので、取り鉢に取ってからポン酢入れたり、柚子こしょう入れたり、
と味に変化を持たせられる。

前半は、玉子の黄身をつぶさないようにして、鍋なひとときを味わってから
後半は怒涛の鍋焼き。天ぷらと玉子の黄身のドロドロに七味ふって、
至福のなべやきうろんとなる。

なべやき 鯛.jpg

                               鯛の塩焼きの鍋焼きうどん


時々、焼いた鯛とかが残ってたら、これをベースに鍋焼きうどん鍋をします。
牡蠣やお刺身の残りを入れてもいいし、

鍋にはあれこれ約束事があるから、奉行の活躍の場があるけど、
かわいそーなことに、鍋焼きうどんには奉行はいらない。
主役がうどんなんだから、気がラクだしおいしいー。


何でも入れていいけど、市販のものは天ぷらとカマボコ、お揚げくらいにとどめたいですねー。
シューマイやギョーザやソーセージとかは入れたくない。
やはり日本由来のものが合うようです。


なべやきうろん.jpg


















ラベル:鍋焼きうどん
posted by 瓜南直子 at 21:07| Comment(0) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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