2010年03月02日

石膏デッサン入門―その1

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受験が終わったら、石膏像なんか2度と見たくない、と思っていた。

ところが、藝大の石膏室に入った途端、描きたくなってしまった。ガッタメラータ将軍全身像。ラオコーン群像、メディチ家の墓。サモトラケのニケ……。

美大受験生のバイブル、雑誌『アトリエ』で見た、石膏像の全身像の数々がここにあった。


石膏室では、サモトラケのニケが一番人気。まだ受験体質の抜けない入学したての学生が、席取りよろしく、ぐるりとイーゼルを並べている。

あれこれ迷ったあげく、私は聖ジョルジョ全身像をえらんだ。

あの西洋人にあるまじき平坦な顔、いったい何に困ってるんだ、その眉間のシワはっ。似なくてさんざん困らされたもんだ。浪人中の恨み晴らさでおくべきや。まずは、コイツをやっつけてやろうと思った。

ところが、全身像の聖ジョルジョは、雄々しく若々しく、気品さえ漂っているのである。妙な切り方をしたために、不自然なフォルムに表情が強調されて、陰湿なムード漂う胸像とは、全く違う。

美しい。怨念と感動に身を引き裂かれながら、一枚描き終えた。


それきりである。ジョルジョ征伐で気がすんだらしく、そのあと、めったなことでは石膏室に近寄らなかった。


在学中から、美大予備校『鎌倉美術研究所』に、講師として行っていた。受験の実技科目の、デッサンや塑像などを教えるアルバイトである。その間、指導はしても、自ら石膏デッサンを描くことはほとんどなかった。

ヘタなのがばれるからである。

私はもともと絵が描けたわけではないし、デッサンも美しいとか上手いだとかではなく、一所懸命にかきましたね、というタイプなのだ。

予備校には、デッサンの達人のような生徒もいっぱいいるのである。

とてもじゃないけど、描けない。
―続く―

――――――――――――


posted by 瓜南直子 at 13:26| Comment(3) | 絵とその周辺に棲むもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
趣味で仏像のお絵かきをするのが好きなので
こーゆー白黒で挑めるのは好き〜
もちろん自己満足の世界ww

ってか、下のピースの箱が気になるんですけどーwww

そーいえば受験生のころ、
美術系の学校を受験する友人はみな、絵画教室に通ってひたすらデッサンをしてましたが、
これって試験のためだけ技術ではなくて
将来、絵を描くときにも、やはり必要なことなんですか?
ずぶずぶのとーしろーだから、よくわからないんで・・・

サモトラケのニケは教科書ではじめてみて
生命力とゆーか希望に満ち溢れたあの曲線に惚れてしまいました。
頭ないのに・・・・
でも、だからこそ、想像力をかきたてられる、どんな美人だろう〜って。

新婚旅行でルーヴル行って、本人とご対面したとき
感動のあまり、足が震えたのを覚えています
でモナ・リザは・・・あまり覚えてないw
Posted by 3396 at 2010年03月03日 13:13
初めまして!
私も講師やってます。
教えるのって難しいけど楽しいですよね(^^)

お互い頑張りましょう!
Posted by 戸島のデッサン教室 at 2010年03月18日 09:05
戸島さん。

コメントありがとうございます。私が講師をしていたのは、遥か25〜30年前のことでして、実に向いてないとわかってやめました。

教えるのが上手な方っていらっしゃいますよね。はたで見ていて惚れ惚れします。

頑張ってくださいね。
Posted by 瓜南直子 at 2010年03月21日 12:30
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