ひなびた味、にしん。
乾物好きの私は、何かを戻して料理するのが大好き。上手に戻すことに燃えます。メラメラ燃えます。
昔は、堅干しのにしんを数日かけて戻して、番茶で煮て、空蒸しして番茶の匂いを取りのぞき、ザラメと醤油で煮たりしてました。
ソフトにしんもあるにはあったけど、いいものは手に入らなかった。
茄子との炊き合わせや、鰊そばにはかかせないけれど、堅干しにしんは如何せん手間がかかりすぎる。
でも、今は冷凍や輸送の技術が進化して、ソフトにしんが良くなりましたね。
ソフトにしんは、脂のまわってないものを。と言っても、見てもよくわからないから、信用のおけるお店で買って下さい。
そのまま炊くと、やはり生臭さが残るので、下処理をします。干物に緑茶干し、というのがありますね。これがヒントになって、いい方法を思いつきました。
白水(米のとぎ汁、または米ぬかをお茶パックに入れて、水の中でもみもみして白濁させたもの)に、緑茶の出がらしの葉を入れ、にしんを浸けます。
夏場は、冷蔵庫に入れるか、保冷剤を入れておきます。
水を変えて2日くらい浸けたら、包丁でウロコとコケラをこそげ落とします。干鱈などでもそうですが、臭いのはウロコ、コケラ、腹の内皮なんです。
背びれと堅い中骨を切り取り、腹の内皮を削ぎ落として、お茶の葉でもむようにして洗います。最後に水に浸けて、茶葉とぬかをよく洗い、下処理完了です。
そのまま、または一口大に切って鍋に並べ、煮汁をはって火をつけて煮ます。煮汁はお好みで。でも、これだけ下処理をしてあると、濃い味付けはもったいない。私は、出汁に酒、ザラメ少々と淡口醤油で、生姜の繊切りか実山椒を入れて煮てます。
ふうわりと柔らかく、にしん独特のクセがアクセントになってくれ、しみじみとおいしい。
鰊そばや、茄子との炊き合わせには、少し甘辛めの味がよいようですが。
堅干しのにしんは、みりんでのばした味噌に漬けます。半年くらい漬けると、ふんわりのにしんになります。日本酒にぴったりの肴。今年は山椒をきかせてみようと思っています。
それにしても、なんでこんなババア料理ばっかり作るのが好きなんだろう、私。
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緑色のつぶは、青山椒ですか?
こういう食べ物って、結構好きです。
乾物を戻すのって、あまり得意ではないですが、ちょっと挑戦したいです。