私は決してケチではない。
元々経済観念はないし、飲みに行ってワリカンにすると、自分がすごくセコい人間のように思えてしまう。だからケチではないはずだ。
でも、ケチと見まがう行動をとることがある。
まず、手を入れてない食材を捨てられない。デパ地下で、出来合いのおかずを買えない。せいぜいお寿司くらいのものだ。それはたぶん、そう躾られたのだと思う。
冷蔵庫の中を見て、使われないままに傷んでるものを見ると、ものすごくつらくなる。悪かった、と心が痛む。なんとか、ちゃんと手を入れて料理してやろう。それが供養だはなむけだ。
そんな思いが高じたのだろうか、気がつけば私は保存フェチとなっていた。傷みやすいものをいかにもたせるか、にメラメラと燃えるのであった。
以前書いた、経木の話もこの延長なんです。
傷みやすいものは、数々あれど、まずは薬味、つまもの系。これらをいかにもたせるか。どれも水分とどうつき合うか、なんですよね。
☆大葉
傷みやすさNo.1。乾くか、水で朽ちるかどちらかです。ふと、これも生け花のように水切りしてみたらどうだろう、と思ってやってみたら大正解。
ボールに水を入れて、大葉の茎を浸し、水の中で茎を少し切ります。
縦長の容器の底に水を含ませたティッシュペーパーを敷いて、立てて保存します。縦長で透明蓋つきの容器がなかなか見つからなくて、未だラップで被っているのが情けないかぎり。
でも、もちますよー。
☆香菜
野菜室の壁に張り付いた香菜って、よく目にしませんか?傷みやすいのに、そうは連続しては使わない。これは刻んで冷凍です。洗ってよく水気をとって、細かく刻んで冷凍します。根っこも冷凍しておきます。包丁の背で叩いて、エスニックな煮込みに使うと、風味がグンと良くなります。
☆柚子
私は、すごく柚子を使うタチなので、わりとすぐなくなってしまいますが、たくさんいただいた時などは、皮と果汁に分けて保存しています。
皮は白いフカフカごと剥いて、アルミホイルでペッタンコにしてジップロックに入れて冷凍。白いフカフカは冷凍中の乾燥を助けてくれます。ラップだと、ふがふがして密閉できないので、ホイルです。
果汁は、自家製ポン酢に。本格的でなくても、気に入っためんつゆと割れば、簡単にできます。やはり絞りたての果汁で作ったポン酢はキワキワ感が違います。
☆生姜
ひね生姜(土生姜)、新生姜ともに、割り箸など使ってよく洗い、水気をふき、キッチンペーパーかティッシュペーパーにくるんでジップロックに入れます。紙が湿っていたら取り替えます。新生姜は特にマメに取り替えてください。
☆にら
これも、すぐ食べる予定がなければ、刻んで冷凍です。にらたまや野菜炒め程度なら、なんとか。凍ったまま投入します。
☆椎茸
まずパックから出して、野菜室のトレーに出してしまう。または、いしづきを編み針か、金串のようなものに刺して、部屋の隅に置いておきます。使わなくても自然と、干しいたけになってくれます。カチンコのいしづきはザクザクおろして、ぬか床に入れます。
☆実山椒
実を軸からはずして、塩湯でさっと茹で、乾かして冷凍します。
うわーん。なんか、すごいやなヤツみたいな気がしてきた。
どうです。イヤ味でしょう?セコいでしょう?
でも、そんなにやなヤツではないんですよ。ケチでもないし。
言い訳にしか聞こえませんね。
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ありがとうございます。習慣化してしまうと何でもないんですが、
こうやって文章にすると、なんかエコな人みたいで、ややはずかしいです。
単に使わないまま朽ちてゆくのがイヤなだけなんですけど。
瓜南直子
お会いした事がなかったから、ただ更新がないだけで、亡くなった気がしません。