2010年05月14日

ぬか漬の季節です。

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ぬか漬を始めたきっかけを思い出した。

あれは、10年ほど前の夏のこと。8月15日、私の誕生日の夜遅く、「これから行っていいですか」と、ショットバーでバイトしてる女の子から電話がかかってきた。

店を終わってタクシーでやってきた彼女が、

「はい、カナンちゃん、お誕生日のプレゼント」

と言って、新聞紙で包んだお弁当箱のようなものを差し出した。

なんだろう。お弁当でも作ってきてくれたのかな、と包みを受け取った。ん?ずっしりと重い。輪ゴムをはずし、新聞紙をあけると、なんか茶色のものがびっしり詰まったタッパーのようだった。

「ぬか床。これを種にぬか漬け始めるかな、と思って」

内心、仕事がふえるじゃないのと思いつつ、うわべでは「わあ、ありがとう。やってみるね」と、とりつくろって言った。

その頃はまだ私にとって、漬物は買うものだったのである。しかし、気にいった漬物屋さんに行き、あれこれ買うと結構な金額になる。うーん、もとは野菜なのに、なぜこんなに高いの?と釈然としなかった。ひょっとしたら、漬物を始めたきっかけは、実はそのあたりにあるのかもしれない。あとは、気に入ってた漬物屋さんが、店をたたんだり、アミノ酸入りの調味料漬けを売るようになってしまったことだ。

かくして、「お誕生日プレゼントぬか」をベースにぬか床づくりが始まったわけです。何度もダメにし放り出し、おこったりふてたりしながら、なんとか平常心と平常ぬか床を手に入れることができました。

そして今年のぬか床も下積み期間の2週間を終え、いよいよ出番です。下漬けに、水の出やすいキャベツやかぶの葉っぱ、甘味の出る玉葱などを入れ、2日ほど漬けては出しを繰り返し、ようやく「ぬかの匂い」が「ぬかみその香り」に変わってきました。

ぬか漬の季節、スタート。

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〇まずは、野菜の漬け方から。

新鮮な野菜を漬けるのが何よりです。きゅうり、かぶ、なすなど、皮ごと漬けるものは、塩でこすっておきます。これは、表面の汚れとアクをとるため。また、塩で味の通り道を作ってやることになるので、漬かりが早くなります。塩は洗って水気をふいて漬けます。

皮をむいて漬けるのは大根、にんじんとブロッコリーの茎くらいです。もちろん玉ねぎ、にんにくも。

☆キャベツ

キャベツのぬか漬はおいしい。浅漬けも古漬もおいしい。でも、1/4に切って漬けたりすると、すごく水が出て、ぬか床が疲れてしまう。ところが 一枚ずつはがしてぬかを包むようにして漬けると、それほどでもないようです。ぬか床からぬかを出してキャベツを入れて、ぬかを戻します。はじめは建て付けが悪いけど、半日もしたらなじむので、漬けかえてやります。

☆かぶ

関東の春の小かぶはおいしい。しまった肉質、さわやかな香りと甘味。スダレもなく皮ごと漬けられる。丸のまま、または半分に切って漬けます。

☆きゅうり

へたを少し切り、へたの下の皮を3ヶ所ほどむきます。これは、アクの抜け道です。

☆なす

なすの色をきれいなまま漬けるには、焼きミョウバンをまぶしたり、鉄分を補給したりの方法があるけど、あまり気にしなくなりました。新しいものなら、わりときれいに漬かります。特にミョウバンは薬品だから、使わないほうがいいと思います。

あと、ぬか漬けにあうものとしては、瓜、大根、セロリ、にんじん、新しょうが、にんにく、玉ねぎなど。

私が好きなのは、瓜、胡瓜、新しょうが、かぶ。あと、隼人瓜、ブロッコリーの茎(包丁で、クリッと皮をむいて漬けます)もぬか漬にするとおいしい。


〇ぬか床のお手入れ

一日に最低一回、できれば二回、ぬか床をかきまぜます。ふんわりと空気を混ぜこむように。空気と手のひらによってぬかが呼吸をして、菌を増やし発酵するのです。

漬けていると、次第に水が出てゆるくなってくるので、固くしぼったサラシやガーゼ、強いキッチンペーパーを乗せておきます。これが、余計な水分を吸ってくれる。お手入れの時によく洗っておきます。

もしくは、最後にぬかと塩をパラバラと撒いておきます。発酵が弱まるので、あまりたくさん入れません。

塩気が薄くなったな、と思えば塩を。うま味がたりないなと思ったら、いりこや干しいたけ、きな粉、昆布を。味が疲れてきたな、と思ったら粉からしと大豆を入れ、2、3日休ませます。ただし、かきまぜは毎日です。


最後に、とっておきの隠し玉を。好みがはっきり分かれるものですが。

「ぬか玉子」つまり、ゆで玉子のぬか漬です。かたゆでにした卵の殻をむき、ぬか床に入れます。かきまわす時に手で壊さないように、入れた場所に昆布や唐辛子を置いて目印にします。2日ほどすると、玉子が少し固く小さくなってきます。私は4〜5日漬けたものが好き。4つに切ってお醤油をちょっとかけます。

作家の藤沢周さんが、ぬか玉子を食べて「いやぁ。これはなんというか、いけない味ですねえ」と唸り、うなづき、そしてさらに手をのばしておられました。



あ。青梅が出たら入れなくっちゃ。


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posted by 瓜南直子 at 11:02| Comment(1) | 漬物道楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はう〜ん、春駒ねぇさん
さっそくいい仕事してるんですね〜♪

小鉄はまだまだ硬い硬い塩漬けですww
いつかきっと
春駒ねぇさんみたいな一人前の艶やかなぬか床に....
とゆー目標を掲げ、日夜励んでいる小鉄とみーです( ̄∀ ̄)

漬けてみたいもの、いっぱいあるなぁ〜
夢が広がりますにゃぁー!
【妄想漬け】で白ごはんが食べれるよーな気すら致しますwwwwww
Posted by みー at 2010年05月18日 18:21
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