2011年10月27日

御寺 泉涌寺のふところに抱かれて

ムーンダンスds.jpg




「観〇光」ART EXPO 2011が終った。



展示場所の御寺 泉涌寺には、大阪 梅田画廊の個展の時に下見に行った。
天皇家ゆかりの寺ということで、御座所などもあり、
普通のお寺とは違う空気を感じた。
何より、襖絵や板戸絵などが、さりげなくすばらしいのである。
ででーんっと何十枚も障壁画がこれみよがしに連なっているのでなく、
各部屋ごとに山水や人物、花鳥草木を描いた襖絵がはめられているのだが、
そのさりげなさ、品の良さ。

こんなところに展示してよいのだろうか、とたじろいだのは一瞬で、
すぐに私が展示するのはここしかない、と思った。
寺の中の展示場所は一応決まっていたのだが、
いざ現場に行ってみると、いろいろと不具合も出てきて、
最終的には展示場所を変えることになった。

小方丈という床の間と違い棚のある続きの三部屋のうち、
二部屋が私の展示スペースとなった。
両側には庭に面した廊下と畳の細い次の間がある。
そこを通ってくる光は、晴れた時でもやわらかい。
障子を背に、水辺で遊ぶ子供や黒い牛が描かれた襖絵に
向かい合うように、斜めに展示した。


なんという贅沢。



ギャラリートークも、この屏風の前で、お客さん共々畳に座って話をした。

ムーンダンス インタビューss.jpg
                                          作家による作品紹介の動画の収録







初日、清水寺 経堂に於ける東日本大震災祈祷特別読経から
「観〇光」ART EXPO 2011は始まった。
そして泉涌寺舎利殿で、古澤巌氏のバイオリン奉納演奏と続き、
本坊奥のホールでオープニングレセプションへ。
テープカットから、中堀慎治実行委員長による開会のあいさつ、
さらに京都仏教会の会長や京都市長にもお言葉をいただいた。
パーティーの料理は、お寺らしく精進料理だったが、
それは見事な出来栄えで、たいへんおいしくいただいた。
お寿司、煮物、和え蕎麦からカナッペ、パテ、春巻、グラタン、アップルパイ、と
お精進とは思えないほどのバリエーションには舌を巻いた。
これで、お酒さえあれば何もいうことはないのだが、
悲しいことにジュースとお茶とノンアルコールビールしかなかった…。

オープニング2.jpg


オープニング.jpg





観〇光 ART EXPO2011の御寺泉涌寺会場の動画はこちら。
http://youtu.be/JcXcjwJ_nSQ






作品のキャプションには、こんな言葉を添えた。
まだ、ほとんど絵ができていないうちに
キャプションの原稿を提出せよと言われたのだが、
この時点で、完成のイメージはつかめていたのだ。


「ムーン・ダンス」moon dance


蕺の白い十字が闇に浮かぶ。
油をそそげば、 発火しそうな夜だ。

月に灼けた肌をほてらせて、
靄のすそをひいて夢の果てまでゆけ。

呪文のように、媚薬のように、夜の底を流れてゆけ。
水をたたえた銀の月に還るまで。

遠く、錫杖の音がきこえる。



ムーンダンスa s.jpg


ムーンダンスcs.jpg




会場には、絵画のほかに立体やインスタレーションなどの作品が展示されたが、
それぞれに泉涌寺の持つ空気を生かし、
歴史と風格ある場の力を借りた展示になっていたと思う。

二条城会場には、二ノ丸台所のダイナミックな空間に合わせた
スケールの大きな作品が並び、
清水寺経堂では、日独交流150周年を記念して
アンティエ・グメルス、 ゲオーク・マテスの二人のドイツ人アーティストによる
国境、宗派を超えた祈りの「光」をテーマとした素晴らしい作品が展示された。
ともに、それぞれに会場の特徴を生かした展示で、大成功だったと思う。


次なる「観〇光」ART EXPOは、今回の巡回の話も出てきているし、
すぐにそちらの準備にかからなければならない。

祭りが終れば、一抹の寂しさと解放感と空虚さにおそわれる。
でも、今つかみかかっているものは形にしなければ逃げてゆく。
次の展開へと足を踏み出そう。

京都に10日いたけれど、観光も何もしていない。
でも、それでいいのだ。
これからの制作に、確かな手ごたえを感じた以上の
うれしいことなんてないのだ。

さて、次だ。
来年は、ドローイング展、「ざ・てわざ」展、「観〇光」の巡回展、
あーと もりもとでの個展へと、展開させてゆく。
今回の「ムーンダンス」を発展させたものも制作したい。








posted by 瓜南直子 at 17:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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